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原爆養護ホーム支援の「赤竜」今月閉店

■記者 有岡英俊

   原爆養護ホームへの寄付を募る代わりに担々麺を振る舞う「チャリティー担々麺」を続けてきた広島市中区の中国料理店「赤竜 並木通り本店」が、1月末で閉店する。被爆2世の経営者瀬木寛親さん(46)は区切りとして2月22日、安佐北区の倉掛のぞみ園に、この1年分の寄付で電動ベッドを贈る。

 瀬木さんは2005年2月に開店し、同6月にチャリティー担々麺を始めた。「8月6日」への関心を高めようと毎月5日、50円以上募金した客に担々麺(700~500円)を無料で提供した。5日にしたのは翌6日を意識してもらうため。今月5日が最後で計68回に約1万5千人が参加。募金総額は約100万円になった。

 一方で昨年、景気低迷や他店舗との競争で売り上げはピークの半分に。開店から6年で店を閉めざるを得なくなった。瀬木さんは「店の都合で申し訳ない。ただ、多くの人の平和への思いを掘り起こすきっかけになったのでは」と自負する。  倉掛のぞみ園には年1回のペースで電動ベッドや車椅子などを寄贈してきた。鎌田七男園長は「被爆者を思いやる姿勢に敬意を表する」とねぎらう。

 最後の寄贈となる2月22日はチャリティーを通じて知り合った歌手やピアニストの協力を得て同園でミニコンサートを開く。瀬木さんは「今後も何らかの形で被爆者の支援を続けたい」と話している。

(2011年1月25日朝刊掲載)

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