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「核禁止へ日本先頭に」 首相宛ての要請文採択 平和首長国内会議が閉幕

 長野県松本市で開かれていた平和首長会議(会長・松井一実広島市長)の国内加盟都市会議は11日、2日間の日程を終えた。被爆70年に向け、日本政府が核兵器禁止条約の交渉開始を迫る動きの先頭に立つよう、安倍晋三首相に要請することを決めた。

 会議では、同条約が廃絶への有効な手段との認識で一致。採択した首相宛ての要請文では、条約の早期実現に向けた交渉開始に被爆国として具体的なリーダーシップを求めた。会議の概要をまとめた総括文書も採択した。

 一方、出席者からは「なぜ集団的自衛権について議論しないのか」との意見が出た。松井市長は自衛権をめぐって多様な考えがあるとし、「会議を政争の具にしたくない。連帯意識を高め、まず国内加盟都市を現在の87%から100%にした上で国政も議論しよう」と応じた。

 国内加盟都市会議の規約も決めた。会長を広島市長、副会長を長崎市長とし総会を年1回開き、開催地は加盟都市から募る。ただ被爆70年、同80年の節目や、4年に1度の平和首長会議総会がある年は、被爆地の広島市か長崎市で開催する。被爆70年の来年は広島市で開く。

 今回で4回目の国内加盟都市会議は広島、長崎両市以外で初めて開かれ、過去最多の102市区町村から首長49人を含む159人が出席した。閉会後の記者会見で、松本市の菅谷(すげのや)昭市長は「地元での平和への取り組みを発表する場もあり、市民が核兵器廃絶への思いを新たにする場になった」と成果を強調した。(藤村潤平)

(2014年11月12日朝刊掲載)

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