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「少年口伝隊」生徒ら熱演 広島市安佐北区可部で23・24日 平和の尊さ訴え

 広島市などの生徒や社会人たちが23、24の両日、原爆投下後にニュースを口頭で伝えた少年たちを描いた故井上ひさしさんの朗読劇「少年口伝隊一九四五」を安佐北区可部の区民文化センターで上演する。来年の被爆70年を前に、平和の尊さを訴える。(中川雅晴)

 原爆投下後、中国新聞社がニュースを口頭で報じた逸話を基にした物語。被爆し、家族を失った少年3人が口伝隊として働き、放射線による急性障害などに襲われながら懸命に生きようとするストーリー。公募で集まった9歳~50歳代の18人が演じる。

 7月から毎週末、4時間以上練習している。少年役を演じる広島文教女子大付属高2年槙本ひかるさん(17)=北広島町=は「しゃべり方だけでなく表情に気を配っている。親を失った少年の悲しさや前向きさを表現したい」と意気込む。

 同区民文化センターなどでつくる「ミュージックシアターASAKITA」実行委員会は毎年、公募の市民が本格的な劇に挑戦する公演を開催。20回目のことしは被爆の実態を伝えようと、初めてミュージカルやオペラ以外の上演にした。

 総合監督を務める演出家三上慈人さん(47)=同区=は「被爆地の責務は重い。たくましく生きた少年の姿を通じて、平和の大切さを訴えたい」と話す。

 両日とも午後2時開演。前売り2千円、学生1500円。当日は300円増し。同区民文化センターTel082(814)0370。

(2014年11月12日朝刊掲載)

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