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原民喜の詩碑にひび 広島市調査 白い物質も付着 原爆ドームそば

 広島市中区の原爆ドームそばにある被爆作家、原民喜(1905~51年)の詩碑に、ひびが入っているのが見つかり、市が12日、調べた。白い物質も付着していた。自然に劣化したのか、故意に傷つけられたのかは不明という。市は石材業者に原因調査と修復方法の検討を依頼した。

 詩碑は原爆ドーム南東にあり、高さ93センチ、幅61センチ、厚さ27センチの黒御影石製。11日昼すぎに市民が気付き、情報を受けた市職員3人がこの日、確認した。民喜の経歴を刻んだ裏面のほぼ中央に、約40センチの浅いひびがななめに走り、うち約12センチに白い物質が付いていた。

 ほかに損傷箇所はなく、緑政課は「自然劣化の可能性もある。白い物質は誰かが故意に付けたか、接着剤がしみ出たのか分からない」としている。

 詩碑は民喜と親交のあった作家たちが51年、広島城跡(中区)に建立。67年に原爆ドームそばへ移された。民喜のおいで会社役員の原時彦さん(80)=西区=は「もし故意なら、民喜の思いを踏みにじる行為。きれいに直してほしい」と話している。(川手寿志)

(2014年11月13日朝刊掲載)

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