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平和大橋の歩道橋着工 広島市 欄干生かし18年度完成

 広島市は13日、中区の元安川に架かる平和大橋北側で、歩道橋の新設工事を始めた。彫刻家イサム・ノグチ氏(1904~88年)がデザインした橋の欄干を生かしつつ、歩道の混雑解消を図る。2018年度の完成を目指す。

 市によると、歩道橋は長さ86・0メートル、幅5・7メートル。歩行者用(幅3・5メートル)と自転車用(2・0メートル)にレーンを分ける。平和大橋に接する側には欄干を設けない。反対側の欄干のデザインや路面の色合いは、工事と並行し、イサム・ノグチ日本財団(高松市)の意見を踏まえて詰める。完成後は、現在ある平和大橋の北側歩道をなくし、車道を広げる。

 この日は、市の委託業者が東岸にある街路樹を伐採した。資材置き場を設けるため、付近の歩道の一部を削り、市道の車線も変える。来月以後、鉄筋の橋台建設が本格化する。

 平和大橋は52年に完成。幅15メートルで、南北両側にある歩道は幅1・8メートルと狭く、朝夕を中心に混雑が激しい。市は08年度、平和大橋の北側約15メートルに歩道橋の設置を目指し、国際コンペで最優秀案を決めた。しかし、平和大橋東詰めの市道交差点の廃止を含む計画内容に地元が反対。市は予定していた11年度の着工を見送り、約4300万円を投じて作った当初計画も採用しなかった。

 市道路計画課は「平和大橋との調和を考えながら、交通の安全性を高めたい」としている。(川手寿志)

(2014年11月14日朝刊掲載)

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