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社説・コラム

『記者縦横』 再生エネ活用の工夫を

■経済部・山瀬隆弘

 近年、続いた再生可能エネルギーの急拡大は転機を迎えるのだろうか。中国電力が10月、今のペースで再生エネの買い取り要請が増えれば、事業者からの買い取りを制限する可能性があると明らかにした。九州電力など他電力5社も、再生エネ事業者からの買い取り契約の受け付け中断を既に表明している。

 各社とも、電力の安定供給に支障が生じる恐れがあると説明する。太陽光など出力が不安定な再生エネが増え続けると送電網に影響し、最悪の場合は大規模停電が起こるという。中電などは再生エネの受け入れ可能量の算定に乗り出した。ただ、数字をはじき出すだけでなく、蓄電や地域を越えた電力融通の拡大、既存発電所の出力調整など、上限を引き上げる工夫もセットで示してほしい。

 他地域での再生エネの受け入れ中断後も、中国地方では拡大が続いている。稼働中や、運転に向けた中電への申し込みを済ませた再生エネの総出力の増加は10月だけで、小型の火力発電所1基分に相当する約30万キロワットに上った。国が「二酸化炭素(CO2)を排出しない重要な国産エネルギー」と位置付ける再生エネ。一層の有効活用に向け、早くから指摘された送電網の不足や電力融通の限界などの克服は待ったなしだ。

 国はやっと10月中旬、対策を考える専門部会を設けた。再生エネはどの方向に進むのか。中電も自ら検証メンバーに加わるなど課題解消に積極姿勢を見せる。議論の進展に注目したい。

(2014年11月14日朝刊掲載)

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