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日韓友好へ16年間の記録 三次市三和の井上さん 人気番組の解説集出版 

 三次市三和町上壱の井上辰郎さん(80)が、16年間趣味で見てきた韓国の人気テレビ番組「KBS歌謡舞台」を振り返る同じ題の記録集を自費出版した。各回の番組テーマや歌われてきた歌の紹介だけでなく、時代背景や風俗などの解説も加えた。井上さんは「日韓友好に役立てば」と願う。(伊東雅之)

 歌謡舞台は、公共放送KBSで1985年から続く懐メロを中心とした週1回約1時間の音楽番組。記録集「KBS歌謡舞台」には折々に発表される人気曲の順位や、歌詞の日本語訳を掲載。「四季」「元旦」「峠」など各回の番組テーマや歌詞に見られるキーワードを基に、関連する韓国の風俗・風習、日本の植民地時代や朝鮮戦争など独学で得た知識も織り交ぜながら解説する。

 井上さんが番組に関心を持ったのは98年。以前勤めていた名古屋の百貨店で、韓国との貿易を担当したこともあり、韓国歌謡に親しみを感じ、知人の韓国人に録画ビデオを送ってもらうようになったのがきっかけだった。演歌にも似た哀愁を帯びたメロディーに引かれて、韓国語の曲名や歌詞を辞書で調べるようになった。

 2002年、祖父の故郷三和町にIターン。08年からは日本語字幕が出る衛星放送を見始めた。同年、韓国や韓国歌謡との出会いを中心につづった「韓国歌謡打令(タリョン)」を自費出版した。井上さんは「今回は、韓国と関わりを持って四半世紀の記録でもある。隣国理解の一助にもなれば」と話している。

 A4判、198ページ。100部作った。Tel0824(52)3854。

(2014年11月15日朝刊掲載)

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