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福島のサケ 紡ぐ命 震災年に放流 遡上し産卵

 福島県楢葉町の木戸川で、遡上(そじょう)したサケの産卵が続いている。東日本大震災の年に「旅立った」サケが中心とみられる。しかし、福島第1原発事故による全町避難は解除されず、検査目的以外の漁も復活していない。

 サケは放流して4年目に大半が戻るという。木戸川漁協では、毎年1200万匹を超す稚魚を流してきた。震災の年も一部は既に放流していたが、津波に施設が襲われて放流前の大部分が引き波にさらわれた。

 毎年、この時期に産卵するサケの遡上が繰り返されてきた。だが、ここ3年間は放射性物質を検査する捕獲に限られている。これまでの検査で放射性物質は検出されていない。漁協は復興の象徴として来秋の漁の再開を目指している。(高橋洋史、写真も)

(2014年11月16日朝刊掲載)

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