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非核宣言 名ばかり 島根県内15自治体

■記者 石川昌義

 「非核宣言」をしている県内15自治体のうち、過去5年間に5回あった核実験の実施国への抗議文送付は、雲南市の1回だけだったことが、中国新聞の取材で分かった。7市町が「宣言に関連する施策を実施していない」としており、宣言の「空文化」が浮き彫りになった。

 未宣言の安来市を除く7市と東出雲、奥出雲、斐川、邑南、海士、西ノ島、隠岐の島の7町、県の担当者から聞いた。

 核実験実施国への抗議文送付は、2009年5月、北朝鮮による2回目の地下核実験に対して雲南市が行った1回しかなかった。過去5年間に米国、英国、北朝鮮が計5回の核実験を実施している。

 益田、江津両市、斐川、東出雲両町を除く5市5町と県が、2004~10年にかけて宣言している。益田市では、2000年ごろまで続いていた抗議文送付が、明確な理由のないまま中断しており、昨年12月の市議会一般質問で市の姿勢を問う声が上がった。

 宣言に関連する施策を「実施していない」と回答したのは、出雲、江津両市、東出雲町、奥出雲町、海士町、西ノ島町、隠岐の島町。実施している自治体の施策には、原爆投下後の避難の道のりをたどる歩行会(邑南町)や永井隆平和賞(雲南市)、戦争体験者の講演会(斐川町)などがあった。

(2011年2月2日朝刊掲載)

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