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欧州で原爆常設展 スイス国連本部 広島・長崎市が秋から

■記者 金崎由美

 広島市は今秋、長崎市と共同でスイス・ジュネーブの国連欧州本部に原爆関係資料を常設展示する。米ニューヨークの国連本部には常設コーナーがあるが、欧州本部でも初めて設ける。

 被爆の実態を伝える資料や写真パネルの展示、被爆証言ビデオの上映を想定し、長崎市と協議を進めている。広島市は2011年度当初予算案に関連費約1千万円を計上する。

 潘基文(バンキムン)国連事務総長が昨年8月、両被爆地を訪れたのを機に長崎市の田上富久市長が提案。秋葉忠利市長も快諾した。長崎市によると、国際会議出席で現地を訪れた長崎大大学院の山下俊一教授が、田上市長の親書を欧州本部のセルゲイ・オルジョニキーゼ本部長に手渡し、賛同を得た。欧州本部にはジュネーブ軍縮会議事務局がある。

 日本被団協の坪井直代表委員(85)=広島市西区=は「英BBC放送が二重被爆者を笑う番組を流すなど欧州でも被爆の実態はまだまだ知られていない。常設展示は素晴らしいこと」と歓迎している。

(2011年2月2日朝刊掲載)

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