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「はだしのゲン」で平和考えて 原爆資料館で企画

■記者 金崎由美

 漫画「はだしのゲン」を通じて平和の尊さを考える企画展「こどもたちの見た戦争―はだしのゲンとともに―」が4日、広島市中区の原爆資料館で始まった。開会式には、作者の中沢啓治さん(71)=埼玉県所沢市=が出席した。7月11日まで。無料。

 「ゲン」は、爆心地から1.2キロの舟入中町で被爆した中沢さんの自伝的作品である。企画展では、中沢さんが寄贈した絵本版のカラー原画9点や、被爆直後の惨状を描いた手描き原稿4点を展示。漫画のページを縦65センチ横46センチに拡大したパネル98ページ分もある。

 中沢さんは昨年、体調を崩して広島市内の病院に入院。今も通院治療のために滞在している。開会式では、妻ミサヨさん(68)と一緒にテープカットし「当時の子どもたちがどれだけ戦争と原爆で悲惨な体験をしたか、今の子どもたちに伝える機会になる」と喜んだ。

 一方で中沢さんは「漫画には、においも音もない。私が描けたのは現実のほんの一部だとも知ってほしい」と強調した。

(2011年2月5日朝刊掲載)

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