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海峡の道の駅プレオープン 山口県上関 原発に頼らぬ観光拠点

 山口県上関町室津の県道沿いに町が建設していた道の駅「上関海峡」が21日、プレオープンした。中国電力上関原発計画の中断が続く中、町は原発財源に頼らないまちづくりに向けた観光振興拠点と位置づける。

 敷地4300平方メートルに、49台分の駐車場と約610平方メートルの鉄骨平屋を配置。農水産物の直売コーナー、レストランがある。原発推進、反対両派の住民100人が農水産物や加工品を出荷。町全額出資の一般財団法人なごみが運営する。

 町は当初、上関原発建設に伴う国からの原発交付金増額や作業員の需要を見込み、2011年度着工を目指した。だが福島第1原発事故で準備工事は中断。原発計画の今後が見通せなくなり、規模を縮小して昨年10月着工した。事業費は3億2400万円。うち約2億円は交付金を積み立てた基金を取り崩して充てた。

 開駅式で柏原重海町長は、原発財源が不透明となる中、「農漁業者の協力も得て観光の産業化を進めたい」とあいさつした。年間売上高目標は1億5千万円。運営手順などを確認するため23日まで3日間プレ営業し、12月5日に正式開業する。(井上龍太郎)

(2014年11月22日朝刊掲載)

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