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かき船2隻の移転を検討 候補地めぐり反対意見も 広島市中区

 広島市中区の元安川に係留している船上の飲食店「かき船」2隻が移転を検討している。流れの妨げになるとして、川の占用許可権限を持つ国から要請されたため。「かなわ」は元安川上流、「ひろしま」は本川を候補地にしている。

 かなわは現在地から約400メートル上流で、レストハウス対岸の遊覧船乗り場南に、新たなかき船を造る計画。移転時期は未定だが、占用許可を得る手続きを市とともに進めている。ひろしまはアステールプラザそばの本川東岸を検討中。いずれも国土交通省太田川河川事務所が示した、水がほとんど流れない「死水域」の中から選んだという。

 一方、かなわの移転先をめぐっては、近くにある「原爆犠牲ヒロシマの碑」を管理する市民団体のメンバー3人が21日、市役所で記者会見し、反対を表明した。私立高校教諭、大亀信行さん(62)=中区=は「多くの被爆者が眠る場所。考え直してほしい」と訴えた。

 かなわは「江戸時代に広島のカキを全国に広めたかき船という文化や歴史を伝えたいという思い。反対に対してのコメントは差し控えたい」としている。(菊本孟)

(2014年11月22日朝刊掲載)

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