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試料活用 市民と考える 放影研 被爆者血液など90万点保存

 放射線影響研究所(放影研、広島市南区)は22日、被爆者の血液など保存試料の活用を考える講座を広島市中区の広島YMCA国際文化センターで開いた。試料を使う研究の目的や成果をどう伝えるかを語り合った。

 放影研は被爆者の血液や尿など約90万点の試料を保存。放射線が健康に及ぼす影響などを調べる。この日は、放影研の研究員や医師、被爆者たち計8人がパネル討議をした。 放影研の児玉和紀生物試料センター長は「人類にとって非常に貴重な試料」と強調。活用の幅を広げるため外部機関と共同研究を始める考えを示した。

 他のパネリストからは原爆資料館(中区)と連携した研究内容の発信強化を求める意見も目立った。座長を務めた広島平和文化センターの小溝泰義理事長は「試料をきちんと管理し、研究で使う基準や目的、手続きを市民に示し、議論を深める必要がある」と指摘した。

 講座は、放影研が試料の活用策を探る中で市民の意見を参考にしようと開催。約190人が集まった。(榎本直樹)

(2014年11月23日朝刊掲載)

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