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被爆の記憶どう伝承 広島と長崎の3女性対談 広島市中区

 被爆者の体験を語り継ぐ活動や研修に取り組む広島市と長崎市の20~40代の女性3人が22日、広島市中区の広島原爆死没者追悼平和祈念館で対談した。お互いの活動の参考になればと、長崎市が仲介した。記憶のない世代が伝える上での課題や工夫を話し合った。

 長崎市から、被爆者の体験を子や孫が伝える市の事業に本年度応募した被爆3世の三根礼華(あやか)さん(27)が参加。祖母の証言の録音や惨状を描いた絵を交えて被爆の実態を話す活動を紹介し、「できるだけ祖母の長崎弁の語り口で伝え、話に引き込みたい」と話した。

 一方、昨年度から広島市の「被爆体験伝承者」研修を受ける主婦大松美奈子さん(43)=広島市安佐北区=は「原爆で家族や友達を失う悲しみへの子どもの想像力をどのように膨らますかが課題」と説明した。

 同じく研修中のマンドリン演奏家佐古季暢子(きょうこ)さん(30)=東区=は「平和が題材の音楽も交えたい」と独自に構想する伝承方法を提案した。

 三根さんは、大松さんと佐古さんを指導する被爆者細川浩史さん(86)=中区=の証言も聞いた。23日は午後1時半から、南区のエールエール地下広場である被爆ピアノコンサートで祖母の体験を話す。無料。(水川恭輔)

(2014年11月23日朝刊掲載)

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