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禎子さんの祈り 三次から発信を 兄雅弘さんら 本家の墓参り 

 広島市中区の平和記念公園の「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子さんの兄雅弘さん(73)=福岡県那珂川町=たちが25日、1972年まで禎子さんの墓があった三次市三次町の専法寺を訪れた。来年の被爆70年へ向けて、禎子さんが折った鶴1羽を三次市に寄贈する考えを示した。(野平慧一)

 雅弘さんや、次男祐滋さん(44)=東京都=たち5人が訪問。佐々木さんの本家の墓に線香を供え、梵大英副住職(37)の読経で手を合わせた。

 原爆症で入院していた禎子さんは幟町中(広島市)1年の時、折り鶴を千羽折ると、病気が治ると信じて折り始めた。55年10月、白血病のため12歳で亡くなった。まもなく、専法寺に禎子さんの墓が建てられた。その後、72年に福岡市内の寺に移された。

 雅弘さんは、禎子さんが病床で折った鶴を世界各国へ寄贈するNPO法人の理事長を務める。2007年からニューヨークやウィーンなど6都市へ6羽を贈っている。

 雅弘さんは「折り鶴を通じて、禎子とゆかりのある三次から平和を訴えたい」と、力を込める。梵副住職は「今後、展示方法などを含めて三次市と協議していきたい」と話している。

(2014年11月26日朝刊掲載)

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