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1700人と高める歓喜 14日「第九ひろしま」 秋山和慶が初タクト 平和発信「絶やさない」

 年の瀬に平和を願いながら歓喜の大合唱を響かせる「第九ひろしま」が12月14日、広島市西区の広島サンプラザホールで開かれる。30回の節目のことしは市民合唱団に1700人が集結。初タクトとなる広島交響楽団の音楽監督・常任指揮者、秋山和慶は「参加者の熱気はすごい。本番に向け、高みを目指す」と意気込む。(余村泰樹)

 ベートーベンの交響曲第9番「合唱」を、広響の演奏に乗せ、市民でつくる合唱団が歌い上げる。ことしは、広島県を中心に全国23都道府県から、6~94歳の歌い手が参加する。

 「音楽は人々に力や勇気を与えられる。そんな音楽の根源を感じられる」と秋山。第9で描かれる悲しみ、怒り、悩み、喜び…。「全ての感情を曲に込め、最後に喜びを爆発させる。心をぎゅっとつかんで離さない」と魅力を語る。

 全ての人々は兄弟となる―。第4楽章で合唱団が歌うのはシラーの詩。人類の平等や平和のメッセージを高らかに宣言する内容は被爆地ヒロシマにふさわしい。来年は被爆70年。「広島の人たちは発信し続けなければと思っている。絶やさないことが大切」

 ことし指揮活動50周年を迎えた秋山。第9の指揮はこれまで400回以上、多い年は12月だけで20回以上振ってきた。それでも「毎回新しい発見がある」という。「楽曲に真摯(しんし)に向き合いたい。その気持ちが伝われば」と力を込めた。

 ソリストには、小林沙羅(ソプラノ)藤井美雪(アルト)水口聡(テノール)甲斐栄次郎(バリトン)を迎える。

 前半はゲストの歌手平原綾香が、第9の第3楽章に歌詞を付けた「LOVE STORY 交響曲第9番 第3楽章」や「Jupiter」「おひさま~大切なあなたへ」を披露する。

 午後3時開演。指定席4800円(前売り4300円)、自由席4500円(同3800円)。中国放送と中国新聞社の主催。事務局Tel082(222)1133。

(2014年11月29日朝刊掲載)

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