×

ニュース

原爆で壊れた門灯飾り復元へ 県立広島工高機械科3年生

■記者 柳本真宏

 広島市南区の県立広島工業高3年生が、原爆投下で壊れた学校正門の門灯飾りを復元している。門柱に取り付けられた灯火用の装飾品で、銅製だったとみられる。3月1日の卒業式までに完成させる。

 機械科の7人が昨年6月から課題研究の時間を使って着手。残っていた戦前の写真を基に設計図面を作製し、高さ約85センチの1対を製作している。鳳凰(ほうおう)が羽ばたくデザインだ。

 門と門灯飾りは1912年、同校が現在の東区二葉の里から中区千田町に移転した際に作られた。原爆で倒壊後、残った石材の門柱だけが1961年に南区出汐の現校舎に移されていた。

 生徒たちは型枠を作って銅を鋳造するなど、図面に従って再現作業を進めている。西野裕晶さん(18)は「3年間学んだ母校に感謝の気持ちを込めたい」と話している。

(2011年2月16日朝刊掲載)

年別アーカイブ