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政策の是非 街頭で応酬 中国地方 アベノミクス/集団的自衛権/原発 衆院選公示

 アベノミクス、集団的自衛権、原発再稼働…。この2年間、安倍政権が推し進めてきた各種政策への評価が下される衆院選。公示の2日、中国地方の街頭では訴えの応酬が始まった。

 安倍晋三首相が主導する経済政策「アベノミクス」をめぐっては、主張が真っ二つに分かれる。住宅や商業施設が集まる広島2区。自民党前職(66)は「円安株高が進み、多くの企業が空前の利益を上げている」と胸を張る。対する民主党元職(43)は「守るべきは株価ではなく暮らしや年金、雇用だ」とし、共産党新人(60)も「格差を広げるばかりだ」と断じた。

 岡山2区でも自民党前職(49)がアベノミクスの効果を地方にも波及させる決意を述べた。これに対し、民主党比例前職(43)と共産党新人(67)はそれぞれ、「物価が上がっても賃金は上がっていない」「庶民の貧困は深刻だ」と批判した。

 一方、戦後の安全保障政策の大転換につながった集団的自衛権の行使容認。被爆地の広島1区では、共産党新人(48)が「戦争する国になることに怒りの声が上がっている」と指摘。一方で、外相の自民党前職(57)は言及せず「政治の安定が外交にプラス」と述べた。次世代の党新人(47)も「国民の生命、財産を守るのが政治」とだけ話し、維新の党新人(48)は国会議員の定数削減などの訴えに時間を割いた。

 極東最大級の基地へと変貌しつつある米海兵隊岩国基地(岩国市)を抱える山口2区。自民党前職(55)は「安倍政権の積極的平和主義に多くの国が共感している」と強調した。民主党元職(60)は「沖縄県で米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する候補者が知事に選ばれたのに、安倍政権は無視している」と批判。共産党新人(60)は「米軍再編、艦載機移転をストップさせよう」と呼び掛けた。

 2011年3月の福島第1原発事故から3回目の国政選挙。中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)が立地する島根1区では、原発再稼働への賛否が割れた。自民党前職(70)は「地元の雇用や中国地方の電気料金を下げるためにも一日も早く稼働させる」と約束。共産党新人(60)は「省エネと節電、再生可能エネルギーの普及を進めればやっていける。再稼働ノーの審判を下そう」と呼び掛けた。民主党新人(67)は原発関係者を含む支持母体の連合島根に配慮し、原発問題に言及しなかった。

(2014年12月3日朝刊掲載)

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