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8・6写真に写る坪井さん・河内さん 再会 健在喜び合う

■記者 金崎由美

 原爆投下直後、広島市中区の御幸橋西詰めで撮影された写真に共に写る日本被団協代表委員の坪井直さん(85)=西区=と河内光子さん(79)=中区=が19日、再会した。

 写真は1945年8月6日午前11時すぎ、元中国新聞社カメラマンの故松重美人さんが撮影。橋の上で救護所の治療を待つ市民の姿をとらえた。

 河内さんは爆心地から約1.6キロの中区千田町で被爆。父と一緒に御幸橋にたどり着いた。坪井さんは約1.2キロの中区富士見町で被爆。座り込む坪井さんとセーラー服姿の河内さんが写っている。

 2人はこの日、南区であった河内さんの体験記の出版記念会で同席した。会話を交わすのは2度目で、数年前に海外メディアの取材を受けて以来となる。

 河内さんは「また、お会いできてよかった」。坪井さんは「あの日から人生が変わった。写真は、被爆者として生きることになった私たちの原点ですよ」と再会を喜んだ。河内さんの体験記「命かがやいて 被爆セーラー服のなみだ」は、原爆資料館ピースボランティアの大西知子さんが(61)=東区=が約2年間、河内さんの元に通って聞き取り、書き上げた。河内さんは「原爆と戦争は絶対に嫌だという気持ちが本を通して伝われば」と話した。

(2011年2月20日朝刊掲載)

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