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賛否明確に論戦 上関原発 山口2区3候補 現地入り

 中国電力の上関原発計画を抱える衆院選山口2区の候補者3人が4日までに上関町に入り、計画への賛否を明確に論戦を展開した。福島第1原発事故を受けた準備工事の中断が続き、町内に先行きを見通せない閉塞(へいそく)感が漂う中、3人はそれぞれの主張で支持を呼び掛けた。

 自民党前職の岸信夫氏(55)は4日、公示後初めて同町を訪れて演説。「新しい安全基準を満たした再稼働が今後増える。住民の意思を尊重し、新規の原発についても来年しっかり議論する」と力を込めた。陣営の原発推進派の一人が「予想外に踏み込んだ発言」と驚いたほどだった。

 政府は原発を「重要なベースロード電源」と定義。九州電力川内原発が年明けにも再稼働する見通しだ。一方、新増設について「議論をできる状況ではない」(宮沢洋一経済産業相)との認識。方向性が見えず、住民から早期の結論を望む声が上がる。

 民主党元職の平岡秀夫氏(60)も同日、初めて町内に入り、「新増設に当たる上関原発は認められない」と訴えた。さらに「民主党政権は国民的議論を経て2030年代の原発稼働ゼロを掲げた。安倍政権は議論もなく上関を置き去りにしている」と、自民党への批判を繰り広げた。

 共産党新人の赤松義生氏(60)は、公示日の2日に同町で演説した。「上関原発計画は撤回すべきだ。32年間、住民を二分して町の発展を妨げてきた」と強調。「原発財源の代わりとなる振興策や保障を考え、再生可能エネルギーを増やす。今こそ原発ゼロの国づくりを」と唱えた。(井上龍太郎)

(2014年12月5日朝刊掲載)

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