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原爆ドームの劣化調査 広島市 周囲覆う足場設置

 世界遺産の原爆ドーム(広島市中区)で、劣化状況を把握する健全度調査が5日、始まった。広島市が1992年度から原則3年ごとにしており、今回で8回目。来年4月まで足場で覆われる。

 市の委託業者10人が敷地内に資材を搬入。がれきの上に板を敷き、作業用の通路を確保した。年内に、高さ約25メートルのドームを取り囲むように足場を組み、西側には落下物を防ぐネットを張る。

 来月上旬から、8カ所でれんが壁の傾きなどを調べ、ひび割れや鋼材の腐食状況を見る。40カ所で地盤沈下も調査。これらの結果を有識者たちの原爆ドーム保存技術指導委員会に報告し、必要に応じ補修する。

 市は同時に、大きなひび割れを補修。来年8月6日以降に予定している耐震工事に向けた調査もする。

 友人と観光で訪れ、初めて原爆ドームを見たという佐賀県神埼市の保育士西村敦子さん(54)は「写真で見たときより原爆の恐ろしさが伝わってきた。体験していない世代のために、しっかりと保存してほしい」と話した。(川手寿志)

(2014年12月6日朝刊掲載)

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