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藤平典氏が死去 82歳 被団協代表委員

 広島で被爆し、原爆症認定制度の見直しなど被爆者の運動を支えた日本被団協代表委員の藤平典(とうへい・のり)氏が24日午前4時47分、胆のうがんのため東京都中野区の中野総合病院で死去した。82歳。栃木県市貝町出身。自宅は東京都杉並区南荻窪2の22の4。葬儀は27日午前11時から東京都杉並区南荻窪4の34の10、長明寺会館で。喪主は妻礼子(れいこ)さん。

 1945年8月6日、広島高等師範学校(現広島大)在学中に学徒動員先の東洋工業の建物内で被爆。直後に広島市内の学校周辺で救援活動に当たった。

 東京都内で中学校の教員をしていた1966年ごろから被爆者運動にかかわり、日本被団協で事務局長などを歴任した。2000年6月から代表委員に就任。2003年から被団協が主導した原爆症認定集団訴訟では、政府への申し入れなど活動の先頭に立ち認定基準の緩和に尽力した。東京都原爆被害者団体協議会(東友会)の会長も務めた。

 同じ代表委員で、広島県被団協の坪井直理事長(85)は「実直でぶれない人柄。本当に惜しい人を失った」と声を詰まらせた。

(2011年2月25日朝刊掲載)

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