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「黒い雨」指定地域 体験者証言 土台に議論 厚労省検討会

■記者 岡田浩平

 原爆投下後に降った「黒い雨」の指定地域を広げるかどうか議論する厚生労働省の検討会(佐々木康人座長、8人)の第2回会議が24日、省内であった。

 前回に続き、広島市などが提出した黒い雨体験者たちの調査報告書を検証した。担当した広島大原爆放射線医科学研究所の大滝慈教授(統計学)が参考人として出席。体験者の証言に基づき、国の指定を上回る地域で降雨が確認された点を説明した。複数の委員から証言の正確さをめぐる質問が出たが、大滝教授は降雨範囲について「体験者の証言を調査、解析することでしか把握できない」と強調。10人以上の証言により地域を推定したと反論した。

 また、科学者による黒い雨の研究会の世話人を務める京都大原子炉研究所の今中哲二助教(原子力工学)は、広島市北西部が黒い雨の中心であるという仮説を「否定されない」との認識を示した。

(2011年2月25日朝刊掲載)

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