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本当の愛国とは 国防とは 詩人ビナードさん講演

■記者 小山顕

 米国の水爆実験で被曝(ひばく)したマグロ漁船第五福竜丸の絵本などを刊行した米国人の詩人アーサー・ビナードさん(40)=東京=が6月22日、東広島市であった県母親大会で講演した。

 ビナードさんは市中央公民館であった大会の記念講演で、「米国は第二次世界大戦以降、戦争を国防にすり替えて侵略戦争を続けてきた。議会で宣戦布告の承認が必要な戦争と違い、国防のためと言う戦争を少なくとも200回はしている」と指摘。「本当の愛国とは母国の問題をただすことで、理性を失ってはいけない」と強調した。ユーモアも交え、約500人の聴衆に真実を見極める重要性を説いた。

 国内で絶えない米軍兵士の犯罪にも触れ、「事件のたびに報道される綱紀粛正という言葉では解決しない。再発防止策は基地をなくすことだ」と訴えた。

(2008年6月23日朝刊掲載)

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