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日米の平和活動学ぶ ジュニアライター 運動家ルースさん 広島

 米国の平和運動家ダイアナ・ルースさん(66)たちが広島市を訪れ、被爆体験の継承や平和教育について、中国新聞ジュニアライターと意見交換した。

 ルースさんと、長男でグラフィックデザイナーのカール・ルースさん(37)、米国マサチューセッツ州の大学教授カレン・レムラーさん(57)が来日。中学3年~高校3年のジュニアライター7人と語り合った。

 「身内に被爆者がいる人は、どんな話を聴いたか」とダイアナさんが問うと、いずれも祖父が被爆者の4人が「ほとんど聴いていない」と回答。「話したがらない」「被爆時は2、3歳くらいで覚えてないようだ」などと理由を述べた。

 「大人になって、広島に育った者として原爆や平和について友人や子どもにどう伝えるか」との問いには、「聴いた被爆証言を正確に伝えられるようになりたい」「押しつけるのでなく『平和って何だろう』と示唆を与えられるようにしたい」などと答えていた。

 ジュニアライターからは米国での平和教育について質問。レムラーさんは「対立が起きたら話し合いで解決する、という授業がある」、ダイアナさんは「平和教育はほとんどなく、若い人は関心を持たない。被爆者の細かい悲しみ、苦しみを書いて関心を向けさせたい」と述べた。

 ダイアナさんは、ラジオプロデューサーだった1980年、原爆被害の実態を核超大国の米国に伝えるための「米地方紙記者広島・長崎招請計画(アキバ・プロジェクト)」(広島国際文化財団主催)に参加。その時の取材などを基に原爆劇「ヒロシマの怨念(おんねん)」を創作するなど反核活動に長年取り組んでいる。

 ダイアナさんは「家族の被爆体験を聴いていないことに驚いたが、どうやって未来に伝えたいかについてはいろいろ考えていて立派だ」と指摘。祖父が被爆している高校1年岡田春海さん(15)は「身近すぎて気にしていなかったが、質問されて気付いた。今度きちんと聴きたい」と話していた。(二井理江)

(2014年12月8日朝刊掲載)

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