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核廃絶へ決意新た ビキニデー 静岡で集会

■記者 岡田浩平

 米国が中部太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁で実施した水爆実験で、静岡県のマグロ船第五福竜丸が被災して57年になる1日、原水禁国民会議、日本原水協などはそれぞれ県内で「ビキニデー」の集会を開いた。被曝(ひばく)の実態をかみしめ、核兵器廃絶への行動を誓った。

 原水禁は静岡市内で集会を開催した。約300人を前に、川野浩一議長は「ビキニ被災が国内外で核実験の禁止、核兵器廃絶を求める運動の出発点」とあいさつ。「ヒバクシャを生み出すすべての核開発を止める」とのアピールを採択した。

 旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の被災地を支援する振津かつみ医師が講演。放射能汚染が住民の心身を苦しめる現状を伝えた。原子力資料情報室の西尾漠共同代表は、「行き詰まる日本の原子力政策」と題して話した。

 2日は、母港の焼津市にある弘徳院で、被曝して亡くなった無線長の久保山愛吉さんの墓前祭を営む。

 一方、原水協と地元団体などが焼津市で開いた集会には、約1600人が参加した。第五福竜丸の乗組員だった大石又七さん(77)が、核実験の放射能による内部被曝の危険性を指摘。ビキニ環礁自治体のアルソン・ケレン首長は、放射能汚染のため帰郷できない島民の苦悩を訴えた。

 弘徳院で久保山さんの墓前祭も営まれた。

(2011年3月2日朝刊掲載)

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