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ルーメル神父死去 被爆直後から市民救護 94歳

 広島で被爆直後から市民の救護にも当たった上智大名誉教授のクラウス・ルーメル神父が1日午後、肺炎のため東京都内の病院で死去した。94歳。ドイツ・ケルン出身。自宅は東京都練馬区上石神井4の32の11のロヨラハウス。29日午前11時から東京都千代田区紀尾井町1の2、グランドプリンスホテル赤坂で上智学院主催のしのぶ会を開く予定。

 ルーメル神父は1937年に来日。1945年8月6日はイエズス会の長束修練院(広島市安佐南区)で原爆に遭い、幟町(中区)で被爆したフーゴ・ラサール神父(後に広島市名誉市民、1990年死去)らを担架で運び、修練院へ逃げてきたやけどの市民をペドロ・アルぺ院長(1991年死去)と治療した。1957年から1984年まで上智大教授、1987年から1992年まで上智学院理事長。「平和を愛する全人類の共通した認識は、子どもの時から培う必要がある」と被爆体験を語り、広島市の原爆資料館による被爆者証言ビデオの収録にも応じた。

(2011年3月3日朝刊掲載)

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