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英国に語るヒロシマ 南区の松原さん 中学生向けネット中継

■記者 金崎由美

 被爆者の松原美代子さん(78)=広島市南区=が1日夜、インターネットの動画中継で英国の中学生に被爆体験を語った。英BBCテレビが二重被爆者を笑いの種にした番組を流したのを機に、現地の教諭が「生徒に被爆体験を聞かせたい」と要請して実現した。

 松原さんの自宅とロンドン郊外のウェイベル校の教室をネットでつないだ。課外授業で日本文化を学ぶ11~15歳の生徒17人が参加。松原さんは約1時間、パソコンのモニター越しに英語で、被爆し顔などにやけどを負いケロイドに苦しんだ経験などを切々と語った。

 聞き終わった生徒は「原爆のひどさを初めて知った」「二度と繰り返してはならない」と感想を伝えた。

 証言を依頼したのは同校のアラン・グリーブス教諭(41)。1995年から2年間、長崎市の企業などに勤めた。BBCの番組のことを知り、胸を痛めたグリーブスさんは、以前に松原さんの活動を教えてくれた日本人の教師仲間を通じ、証言を頼んだ。

 グリーブスさんは、ネットを通じ「原爆によって実際に起こったことを生徒が理解する貴重な機会になった」と感謝。松原さんは「懸命に体験を聞いている様子が伝わり感動した。語り続ける力をもらった」と話していた。

(2011年3月3日朝刊掲載)

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