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爆瓦から平和考える 80年ごろ 元安川から発掘 翠町中で展示

■記者 増田咲子

 広島市南区の翠町中(中研司校長)の生徒会は、爆心地そばの元安川から発掘され学校に寄せられていた「原爆瓦」の展示を始めた。熱線のすさまじさを刻む瓦や、溶けたガラス計15点を校舎の玄関脇に置き、平和を考える資料としている。

 一連の資料は、プラスチック製の箱などに入れられたまま生徒会室にあったのを、生徒会担当の横山孝夫教諭(41)が気づいた。箱に書かれた文字から、広島の高校生らが1980年前後に元安川で発掘した原爆瓦と分かった。1982年に「原爆犠牲ヒロシマの碑」を河岸に建立した際に協力したお礼として贈られていたとみられる。

 生徒会執行委員長の2年福原愛さん(14)は「原爆で一瞬にして亡くなった人の悔しさや苦しみを受け止めたい」と誓い、横山教諭は「発掘した人たちの話を聞くなど平和学習を深めたい」と話している。

(2011年3月3日朝刊掲載)

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