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再生エネ拡大ネック 太陽光受け入れ超過試算 中電は急増を警戒

 太陽光発電の受け入れ可能量を16日公表した中国電力。再生可能エネルギーの事業者に要請できる出力抑制を拡大しない場合、1年程度の余力しかないことが明らかになった。受け入れを増やすには出力抑制の拡大が必要で、再生エネの全量を買い取る固定価格買い取り制度の前提が崩れることになる。急拡大を続けてきた再生エネが転機を迎える。(山瀬隆弘)

 受け入れ可能量を558万キロワットと試算した中電。既に約430万キロワット分が埋まっているが、現時点では「まだ空きがある」との見方を示す。平均で「月15万キロワットの申し込みがある」としつつ、九州電力など他の5電力の受け入れ中断に伴う急増も警戒。「いつ558万キロワットになるか想定しにくい」と説明し、事業者には中電のホームページで示している再生エネの申し込み状況を参考にするよう求めた。

 国はさらに、電力会社が再生エネ事業者に太陽光の出力抑制を要請しやすくする方向で検討している。受け入れ可能量は増えるが、大規模太陽光発電所(メガソーラー)の採算性は落ちる可能性がある。

 メガソーラーの運営のハードルは増し、事業者には逆風となる。全国でメガソーラーを施工する太陽光発電システム販売のウエストホールディングス(広島市西区)の吉川隆会長は「建設を予定しながら発電をなかなか始めない事業者もいる。採算の見極めが厳しくなれば、継続的なコスト改善に取り組む企業だけが残る」と前向きに捉えている。

(2014年12月17日朝刊掲載)

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