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慰霊碑に黙とう 被爆2世で韓国の広島総領事 平和の誓い新た

■記者 金崎由美、加納亜弥

 被爆2世で韓国の広島総領事に就任した辛亨根(シンヒョングン)氏(57)が11日、平和記念公園(中区)にある韓国人原爆犠牲者慰霊碑などを訪れた。

 辛総領事は10日付で着任した。広島で被爆した元韓国原爆被害者協会会長の故辛泳洙(シンヨンス)氏の長男。この日は韓国人原爆犠牲者慰霊碑に花輪をささげ黙とう。「父の涙と汗がにじむ地に赴任でき意義深い。広島市民の念願である世界平和と核兵器のない世界へ微力ながら貢献したい」と語った。原爆慰霊碑も巡った。

 辛総領事は広島県庁で湯崎英彦知事と会談。知事は「広島がアジアの国々に平和都市として認知してもらうには、われわれの歴史に対する考えも見直さないといけないし、歴史を乗り越えて新しい世界平和をつくることも重要だ」と話した。

 辛総領事は「同感だ。再認識と再評価の努力を続け、未来志向の関係を築きたい」と答えた。総領事の父の泳洙氏は1974年に在韓被爆者として初めて被爆者健康手帳を取得した。

(2011年3月12日朝刊掲載)

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