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平和の心 サミットへ届け 札幌で原爆展始まる

■記者 宮崎徹哉(北海道新聞)

 高熱で溶けたガラスびんなど被爆資料を通じて原爆の恐ろしさを伝える「ヒロシマ・ナガサキ原爆展」が6月29日、札幌市中央区の市役所市民ロビーで始まった。開会式には広島市の秋葉忠利、長崎市の田上富久両市長も出席し、国内外の各都市が連携して核兵器廃絶に取り組む重要性を訴えた。

 札幌、広島、長崎の三市と日本非核宣言自治体協議会が7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)に合わせて企画した。

 秋葉市長はあいさつで、広島や長崎が役員都市を務める平和市長会議に現在、国内外の約2300都市が加盟し、2020年までの核兵器廃絶を目指していると説明。「都市レベルでの平和へのリーダーシップを世界に伝えたい」と述べ、田上市長も「自治体の連携が網の目のように広がれば、世界も(核兵器廃絶の)動きを強めるだろう」と期待した。

 札幌市の上田文雄市長はサミットの主要議題に重ねて「戦争は最大の環境破壊」と強調。政令指定都市では広島、新潟に続く3番目の都市として平和市長会議に近く加盟する意向を明らかにした。「原爆展」は入場無料で7月10日まで。主催者側によると6月29日現在、主要国(G8)首脳が同展を見学する予定はないが、拡大会合に参加するメキシコは、大使が関心を示しているという。

(2008年6月30日朝刊掲載)

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