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原子力の在り方 学校で問題提起 福島で被災地を取材 広島・大崎上島中の正出さん

 中国新聞ジュニアライターで、大崎上島中(広島県大崎上島町)3年の正出七瀬さん(15)が、東日本大震災で被災した福島県での取材経験を同校の生徒たちに語った。東京電力福島第1原発の事故で住み慣れた土地を離れざるを得なかった人の思いを紹介、原子力の在り方を考えてほしいと訴えた。

 正出さんは、原発事故の被害を受けた地域から避難した人が暮らす郡山市の仮設住宅で取材、60代後半の女性2人に聞いた話を報告した。1人が「原発事故は人災。東京五輪招致の際に福島は東京から離れているという言葉があった。捨てられたと感じた」と被災地住民の心情を打ち明けたという。正出さんは「原子力は地球ごと壊してしまうかもしれない。エネルギーの選択は一人一人が考えないといけない問題」と呼び掛けた。

 仮設住宅にある復興支援センターに、広島土砂災害の募金箱があったことに心を打たれたとも。「感謝の気持ちでいっぱいになった」と振り返った。

 正出さんは9月、河北新報社などが事務局を務める企画「写真で綴(つづ)る、被災地の『いま』を伝えるプロジェクト」に参加し、郡山市と須賀川市を訪れた。取材報告は同校の授業で、全校生徒約130人や教職員が耳を傾けた。(山下悟史)

(2014年12月22日朝刊掲載)

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