×

ニュース

重症被曝 広島大治療へ 福島原発で患者発生のケース

■記者 村田拓也

 広島大緊急被ばく医療推進センター(広島市南区)は15日、東京電力福島第1原発周辺で重症の被曝(ひばく)患者が発生した場合の受け入れ態勢について、広島県など関係機関との協議を終えた。自衛隊の航空機で県営広島西飛行場(西区)などに患者を運び、広島大病院(南区)で治療する。

 患者はまず、2次被曝医療機関である福島県立医科大(福島市)に搬送。大量の放射線を浴びて重い急性被曝症状が出た患者は、3次機関の広島大緊急被ばく医療推進センターや放射線医学総合研究所(千葉市)に送る。

 同センターでの受け入れが決まれば、自衛隊の航空機で西飛行場、広島空港(三原市)、海上自衛隊岩国基地(岩国市)のいずれかに患者を運び、救急車かヘリコプターで広島大病院に搬送する予定。現地からヘリコプターで直接、広島大病院に運び込まれる可能性もある。

 広島大病院では、重症と中等症の患者をそれぞれ4人ずつ治療できる態勢を確保する。それを上回る場合、協力協定を結ぶ県立広島病院(南区)や広島市民病院(中区)など6病院に1、2人ずつ受け入れてもらう。

 広島大は、茨城県東海村臨界事故(1999年)を受けて2004年、国から3次被曝医療機関に指定され、センターを設置した。西日本の被曝医療の拠点として、原発事故などの際に重症患者を受け入れて治療する役割を担う。神谷研二センター長(放射線障害医学)は「万全の準備をすることが使命だ」と話している。

(2011年3月16日朝刊掲載)

関連記事
東日本大震災 福島第1原発で爆発 被曝医療 広島大が対策委設置 (11年3月14日)

年別アーカイブ