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東日本大震災 被災被爆者 仲間気遣う 「ヒロシマを思い出す」

■記者 岡田浩平

 東日本大地震で、東北地方の被爆者たちも被災した。津波で変わり果てた町の惨状に広島、長崎の被爆当時の様子を重ね、仲間の被爆者の安否を心配する日々を送っている。

 「廃虚の中にビルだけが立っているのを見て、広島に原爆が落ちたときのことを思い出した」。広島で被爆した宮城県原爆被害者の会事務局長の木村緋紗子さん(73)=仙台市太白区=は震災3日目に自宅に電気が通じると、テレビ画面に映し出された町の壮絶な光景におののいた。

 県内の被爆者は205人。うち約60人は太平洋沿岸に住む。木村さんは、会の役員を務める沿岸部の被爆者と連絡が取れていない。  無事だった被爆者もインフラを断たれ、生活物資も乏しく弱り果てている。「被爆者は高齢で、病気がち。一日も早く生活を立て直す必要がある」と救済を訴える。

 日本原水爆被害者団体協議会によると、東北6県には被爆者健康手帳を持つ人は532人(昨年3月末)おり、県組織などに安否の確認を求めている。

 一方、被爆者たちは福島第1原発(福島県双葉町、大熊町)事故による市民の被曝(ひばく)も恐れる。木村さんは「国は放射線がどれだけ人を傷つけるか分かっていない。ヒバクシャをつくらないよう、国を挙げて徹底した対策をとらなければ」と訴えている。

(2011年3月17日朝刊掲載)

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