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佐野軍縮大使に苦言 ウィーン発言で松井市長

 広島市の松井一実市長は25日、「核兵器の非人道性に関する国際会議」で被爆者の反発を招く発言をした佐野利男軍縮大使に対し「被爆者を抱える日本政府の立場を十分に受け止めていれば、違った議論の展開があった」と苦言を呈した。この日の記者会見で言及した。

 佐野氏は8日にオーストリア・ウィーンであった国際会議での討議で、核爆発が起こると負傷者の救援活動が不可能だとの意見に対し「少し悲観的だ」と反論し、救援能力を高める研究を提言した。松井市長はこの発言を受け「(核兵器が)使われたら取り返しがつかないと、積極的に国際社会へ言ってほしい」と注文した。

 会議全体については、核兵器保有5大国から米国と英国が初参加し、核兵器と法的規範の関わりについても議題に取り上げた点などを評価。「核をなくしていくのは国際社会全体の責任だとの議論が展開されたのは重要な進展だ」と強調した。(田中美千子)

(2014年12月26日朝刊掲載)

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