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フクシマの声届け3年 広島の市民団体、来春東京でイベント 民話や避難体験を紙芝居に

 紙芝居で東日本大震災と福島第1原発事故の被災者を支援している広島市の市民団体「まち物語制作委員会」の活動が、2011年12月のスタートから3年。これまで手掛けた作品は111点に上る。来年3月には記憶の風化を防ぐため東京でイベントを計画している。

 同会は、津波や原発事故で家を失ったり、戻れなかったりする人たちに古里を思い続けてもらおうと、仮設住宅などを巡って地元に伝わる民話や避難生活を聞き取り、紙芝居を作っている。福島県を中心に計約20市町村で作品を完成させ、現地に送り届けている。

 12年12月にいわき市で開いた「ふくしま紙芝居まつり」では集まった約500人の前で54作品を上演した。ことし3月には、福島第1原発のある大熊町の被災者を広島市に招き、原発事故後の避難体験を描いた作品を上演してもらった。

 被災した各地でも紙芝居一座が結成されたり、読み手の育成講座が開かれたりするなど、活動が広がっている。

 同会は来年3月、活動、交流の集大成と震災の記憶の風化を防ぐため、東京で復興支援イベント「ふくしま被災地まち物語東京7DAYS」を計画。相馬市や新地町の被災者が紙芝居を上演し、同会は原爆投下から7日間の広島の街の動きを描いた新作も披露する。

 同会の新沢孝重代表(80)=安佐北区=は「被災地の思いを受け止め、発信するのは被爆地の役目。そう思い、これからも続けていく」と話している。(有岡英俊)

(2014年12月27日朝刊掲載)

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