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「黒い雨」訴訟準備を伝達 被害者連絡協 広島県・市に

 広島県「黒い雨」原爆被害者の会連絡協議会(高野正明会長)は26日、黒い雨被害に対する国の援護対象区域の拡大を求める集団訴訟を起こす考えを県と広島市に伝えた。

 高野会長たち8人が、中区地域福祉センターで県、市の担当者と面会。高野会長は「国の無責任な態度は許せず、訴訟を準備している」と報告。制度上は県と市を相手取る形になる可能性があるとしつつ「闘う相手はあくまで国だ」と述べた。政府や地元選出国会議員に区域拡大を働き掛けるよう求める申し入れ書も手渡した。

 対象区域を今の約6倍に広げる県や市などの要望を国が2012年7月に退けた後、同協議会は集団訴訟を検討してきた。援護対象区域の住民に交付される無料健診の受診者証の交付を県や市に集団申請し、却下された後に提訴する考えだ。市原爆被害対策部は「国の厳しい姿勢に対し、司法による解決を検討し始めたということだろう。動向を注視するしかない」としている。(田中美千子)

(2014年12月27日朝刊掲載)

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