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福島第1原発事故 広島大被ばく医療チーム第1陣が報告

■記者 藤村潤平

 福島第1原発事故を受け、福島県に派遣された広島大の緊急被ばく医療チームの第1陣が17日、広島市南区の広島大病院に帰着した。記者会見した団長の谷川攻一・広島大病院高度救命救急センター長は、現地で放射線量の検査を実施する体制を一定に築くことができたと報告した。

 第1陣は、医師と看護師の7人編成で13日に現地入り。15日には同原発の爆発事故で負傷した30歳代男性を、福島市内の病院に運ぶためヘリコプターに添乗。大量被曝(ひばく)の恐れがあり、すぐに検査したが、放射線量は問題はなかったという。このほか20キロ圏内から避難してきた住民約400人の放射線量検査を進めた。

 一方で、谷川センター長は「(20~30キロ圏内で)屋内退避を指示された住民の一部が、不安感から避難所に押し掛けている。その場合、放射線量を検査していない場合もある」と述べ、混乱する現地での健康管理の難しさを指摘した。

 第2陣は16日に現地入りし、福島市の緊急被曝調整本部などで活動している。1週間をめどに人員を入れ替える。

(2011年3月18日朝刊掲載)

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