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「反省」含め戦後70年談話 首相年頭会見で表明 積極平和主義も強調

 安倍晋三首相は5日、三重県伊勢市で年頭の記者会見に臨んだ。ことし発表する戦後70年の首相談話に関し、第2次世界大戦への「反省」を盛り込み、世界の平和と安定に貢献する姿勢を発信する意向を明らかにした。26日にも召集される通常国会を「改革断行国会」と位置付けたほか、規制改革による地域活性化を目指す「地方創生特区」を今春、数カ所指定する方針も示した。(城戸収)

 戦後70年の首相談話は、今後設ける有識者会議で検討した上で、8月15日の終戦の日に合わせて公表する予定。首相の歴史認識が問われ、戦争責任などをめぐる表現が焦点となる。表現次第では、中国や韓国が反発する可能性がある。

 首相は「先の大戦への反省、戦後の平和国家としての歩み、アジア太平洋地域や世界にどのような貢献を果たしていくのか、英知を結集して新たな談話に書き込んでいく」と強調。「積極的平和主義の旗の下、世界の平和と安定に一層貢献していく明確な意思を、この節目の年に世界へ発信したい」と語った。

 1995年の村山富市首相談話では、日本の侵略と植民地支配を明記した。安倍首相は「村山談話を含め、歴代内閣の立場を全体として引き継いでいく」と述べ、村山談話を基本的に継承するスタンスを重ねて示した。

 また次期通常国会で集団的自衛権行使を認める安全保障法制を整備する考えをあらためて示し、「日本の平和国家としての歩みは、これからも決して変わらない」と理解を求めた。原発再稼働や憲法改正も含め、国民の世論が割れる課題には「自民党が衆院選で約束したことを実行する。国民の理解を頂く努力をさらに進めていく」と語った。

 政権運営では「経済最優先」の方針を継続すると説明。経済再生に向け、「あらゆる改革を大きく前進させる1年にしたい」と意欲を示し、地方創生や教育再生、社会保障制度改革などを課題に挙げた。地方創生特区は、地方からの「思い切った規制改革と(その)具体的な提案」を踏まえて選定するとした。

(2015年1月6日朝刊掲載)

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