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福島第1原発事故 被曝の相談相次ぐ 広島の病院など

■記者 衣川圭

 東日本大震災による東京電力福島第1原発の事故を受け、広島市内の研究所や病院に、被災者たちから被曝(ひばく)に関する相談が相次いでいる。これを受け、放射線影響研究所(放影研、広島市南区)はホームページ(HP)に「よくある質問Q&A」コーナーを設けた。また広島県は近く、被曝に関する電話相談窓口を開く。

 広島赤十字・原爆病院(中区)には22日までに、被曝を心配する福島県や関東地方などの計32人が来院した。全員、健康被害はなかったという。電話で被曝線量検査などの問い合わせも計39件あった。同病院は「現時点で、検査が必要な人はほとんどいない」と説明する。

 広島大緊急被ばく医療推進センター(南区)にも線量検査の依頼が寄せられているが、重症被曝患者を受け入れるというセンターの役割を説明。避難指示地域内に長時間滞在し、被曝の恐れが強い人を除いて検査はしていない。

 放影研には、電話やHPの質問コーナーで相談が続く。神奈川や愛知県などからも「子どもを外で遊ばせてもいいか」「妊娠しているけど大丈夫か」などの質問があり「普通に生活しても大丈夫」と答えているという。また広島県は近く電話相談窓口を開設する。県内外問わず、健康への影響などについて問い合わせに応じるという。

(2011年3月23日朝刊掲載)

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