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「陸奥」 徳山高生聞き取り 爆沈戦艦から学ぶ戦争の歴史 周防大島の記念館で展示 山口

 徳山高(周南市)の地歴部が、太平洋戦争中の1943年に岩国市柱島沖で停泊中、謎の爆発沈没を遂げた旧海軍の戦艦陸奥について学んだ成果を、周防大島町伊保田の陸奥記念館で展示している。31日まで。

 地歴部は毎年郷土史をテーマに研究しており、ことしの終戦70年に合わせて、昨年は陸奥を取り上げた。部員12人が事前学習の後、昨年6月8日に伊保田の陸奥記念公園であった殉難将兵慰霊祭に参列し、記念館を見学。7、8月にも聞き取り調査で町内や柱島を計3回訪れた。

 記念館ロビーでの展示では、島民や郷土史家たちから聞いた爆沈時の様子を紹介。「とても大きな水しぶきが上がった」「たくさんの遺体が海岸に流れ着いた」などと記している。慰霊祭の参列や記念館見学の感想なども発表。3年尾崎真彦君(18)は「戦争を経験された方が高齢になり、伝えるのは私たちの役目だと思う」と強調する。

 戦時中の島の暮らしや戦後の苦労、艦の引き揚げの様子なども、聞き取り風景などの写真約50枚とともに紹介。2年熊野一就君(17)は「自分たちにとって新たな発見があった。多くの人に見てほしい」と話している。

 陸奥は43年6月8日正午すぎ、伊保田から約3キロ、霧が立ち込める柱島沖で爆発し沈没。1121人が犠牲となった。(久行大輝)

(2015年1月7日朝刊掲載)

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