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核被害発信 連携を 広島でマーシャル諸島講座

 米国が1946~58年に核実験を繰り返した、中部太平洋・マーシャル諸島の核被害を考える公開講座が10日、広島市中区の広島国際会議場であった。現地調査を続ける明星大の竹峰誠一郎准教授(平和学)が講演。約100人が聞いた。

 竹峰准教授は、54年3月1日にビキニ環礁であった水爆実験「ブラボー」をはじめ、同諸島で米国の核実験が計67回あったことを紹介。放射性降下物による健康被害や環境汚染で、いまだに移住先の島から故郷の環礁に戻れない住民も多い現状に触れ「世代交代が進み、カヌーによる漁業など環礁に生きる生活文化も失われつつある。『核被害』という言葉を広く捉える必要がある」と訴えた。

 一方、同諸島が昨年4月、米国を含む核兵器保有9カ国が国際法上の軍縮義務に違反しているとし、国際司法裁判所に訴えたことに言及。「マーシャルの人々は広島との連携を望んでいる。核被害の実態を世界に届けるため、被爆地として世界の核被害者を束ねる役割を果たしてほしい」と呼び掛けた。(明知隼二)

(2015年1月11日朝刊掲載)

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