×

ニュース

被爆樹木と「会話」した写真集を刊行 東京の木村さん

■記者 道面雅量

 東京都在住の写真家木村早苗さん(33)が、広島市内の被爆樹木を撮った写真集「広島の声なき語りべたち」を刊行した。「傷ついた木と、心で会話するようにして撮った写真。声なきメッセージが伝われば」と願いを込める。

 幟町中(中区)のエノキをはじめ、熱線や爆風の傷跡を残す30本をモノクロ写真で紹介。枯死したものと二世が並ぶさまを撮った写真もある。所在地の地図も付け、被爆樹木巡りのガイドブックとしても役立つ。

 大学で西洋史を学び、パリに留学中に写真家を志した。「歴史と向き合うことの大切さ」を強く意識し、ヒロシマをテーマに据えたという。

 2005年秋から1年間、広島市に移り住んで撮影し、市内で写真展も開いた。その後の追加撮影も合わせ、念願の写真集にまとめた。文芸社刊、1680円。

(2008年6月28日朝刊掲載)

関連記事
全国に咲け 被爆桜二世 広島の安田女子高(08年6月 5日)
ドミニカに被爆アオギリ 中区で報告会市民団体、成長を確認(08年3月13日)
冬の平和記念公園・平和大通り 木漏れ日のスポット、守れ供木の緑(08年1月24日)

年別アーカイブ