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上関原発、着工延期も 中電社長 見通し 島根3号機にも影響

■記者 永井友浩

 中国電力の山下隆社長は28日、福島第1原発の事故を受け、中電の原発事業について「建設工程を変更することも考えられる」と述べた。上関原発(山口県上関町)の着工と島根原発(松江市)3号機の運転開始について、延期する可能性を示した。

 広島市中区の本社であった2011年度の電力供給計画の会見で明らかにした。山下社長は、事故を受けて国が原発の安全対策の検討を進める見通しを示し、「その中で、建設工程を変更することも考えられる」と述べた。

 来年3月の運転開始を予定する島根3号機は、震災の影響で制御棒を動かす装置の点検が遅れており、「営業運転の具体的な時期が見通せない」と説明した。2012年6月の着工、2018年3月の運転開始を予定する上関1号機については、「(計画を)延ばす選択肢もある」とした。

 ただ電力供給計画では両原発のスケジュールは、従来の計画を据え置いた。山下社長は「現時点では福島(原発)の影響を反映できない」と話した。

 一方で「電力の安定供給や地球温暖化防止のため、原子力を進める方針に変わりはない」と強調。原子力発電の比率を高める方針は維持するとした。

(2011年3月29日朝刊掲載)

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