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市民の平和合唱 全71公民館撮影 広島 被爆70年で共同企画 リレー形式で作品化

 街に響け平和の歌―。被爆70年に合わせ、広島市内の全71公民館が共同で、平和を願い合唱する市民の姿を収めた映像作品を制作する。地域に根差した公民館から、平和の尊さと向き合う潮流を起こすのが狙いだ。各館は、収録に向けて準備を進めている。

 公民館ごとに合唱風景を撮影し、71館分の映像をリレー形式でつなぐ。8月6日の平和記念式典で歌い継がれている「ひろしま平和の歌」や「アオギリのうた」など7曲を、街のあちこちで平和を願う歌声が響いている―とのイメージに仕立てる。映像はDVDに収め、各館の平和関連イベントなどで活用する。

 各館はこれまで、被爆証言を聞く講座やピースキャンドル作りなどを個別に展開してきた。高齢化が進む被爆者の思いを継承し、平和を発信する意識をさらに高めようと、節目の年に企画した。

 公民館の定期利用がある合唱団を中心に出演を打診したり、新たに参加者を募ったりしている。71館を統括する市文化財団ひと・まちネットワーク部は「被爆者の証言や思いを次世代につないでいく上で、重要な節目を迎えたとの意識を共有したい」としている。(奥田美奈子)

(2015年1月13日朝刊掲載)

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