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被爆100年へ33先導事業 まちづくり広島市骨子案 「平和の丘」構想も

 広島市がことしの被爆70年を機に、被爆100年を見据えて取り組む「まちづくり先導事業」の骨子案が13日、分かった。デルタ市街地でのにぎわいづくりから、中山間地域の活性化まで33事業を掲げ、「世界に誇れるまち」の実現を目指す。関連費用を順次、予算案に盛り込む方針でいる。

 市はことしを「まちづくりの新たな一歩を踏み出す年」と位置づける。骨子案は、市域をデルタ市街地▽デルタ周辺部▽中山間地・島-の三つに分け、ハード、ソフト両面のまちづくり施策を盛り込んだ。

 新規は17事業。デルタ市街地では、JR広島駅(南区)、紙屋町・八丁堀地区(中区)という二つの拠点の回遊性向上や、JR広島駅そばの猿猴川、京橋川の河岸の魅力向上に取り組む。比治山公園(南区)を「平和の丘」として再整備する構想もある。

 デルタ周辺部では住宅団地の活性化策を実行に移し、空き家を生かした交流拠点づくりなどを進める。中山間地・島では、安佐北区安佐町の小河内地区や南区の似島に、都市部から若者たちの移住を促す総務省の「地域おこし協力隊」を市で初めて取り入れる。市域全体では、集約型都市構造の実現や、バス路線の再編などを掲げた。

 また、旧市民球場跡地(中区)の活用や、広島大旧理学部1号館(同)の保存・活用など既に打ち出したり、進めたりしている16事業も取り込んだ。4月に市長選があるため、骨格編成となる2015年度当初予算案は継続事業が中心で、ほかは次期市長の下でつくる補正予算案に計上するとみられる。

 一方、市は被爆70年記念事業に、新規17事業を加える。旧日本銀行広島支店(中区)での原爆資料館の資料展示▽4~5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に合わせ、米ニューヨークの国連本部で邦楽コンサートを開催―など。昨年2月の発表分と合わせ52事業になる。(和多正憲)

(2015年1月14日朝刊掲載)

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