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原発再稼働なら交付金 立地道県対象に政府新制度 15年度予算案決定

 政府は2015年度、再稼働した原発が立地する道県を対象にした新たな交付金制度を設ける。農産品の風評被害や観光客の減少など、再稼働に伴う地域経済への悪影響が生じる可能性を考慮した。15年度予算案に15億円を積んだ。

 経済産業省資源エネルギー庁によると、新交付金は地域振興名目で、交付条件は「稼働状況に大きな変化があった場合」とする。安倍政権が進める原発再稼働への環境を整備する狙いがある。

 全国では、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)が再稼働の前提となる審査に事実上合格し、今春にも再稼働する。中国電力島根原発(松江市鹿島町)では、2号機で審査が進んでいる。

 一方、原発の防災対策で、事故時に避難住民の受け入れ先となる自治体向けの避難訓練経費を初めて計上した。国は、中国地方では原発30キロ圏の島根、鳥取県と、避難先となる広島、岡山県との合同訓練を想定している。

 島根原発(火力・水力を含む)立地などの交付金が計36億9千万円、上関原発(山口県上関町)の建設計画に伴う交付金は8千万円で、それぞれ前年度並みを確保した。(樋口浩二、山本和明)

(2015年1月15日朝刊掲載)

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