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「脱原発」の議論に重点 8月の原水禁世界大会

■記者 岡田浩平

 原水禁国民会議などの原水爆禁止世界大会の実行委員会は29日、東京都内で今年の初会議を開き、8月に広島、長崎両市で開く大会の概要を決めた。福島第1原発の事故を受け、「脱原発」に向けた新たなエネルギー政策を打ち出す議論に重点を置く。

 実行委は事故について「核被害に軍事利用や商業利用の区別がないとあらためて示された」との認識を共有。大会では、プルトニウムを使ったエネルギー政策の転換や原発の新設、増設の中止を求める具体的な運動の提起を目指す。東北アジア非核地帯創設への道筋にも焦点を当てる。

 広島大会は広島市で4日に開幕。初日は連合、核禁会議と共催の集会を開く。5日は「脱原子力」「平和と核軍縮」などテーマ別に分科会で討議し、6日の全体集会で議論をまとめる。

 国際会議は5日に同市で開催。「脱原子力に向けた構想力」と題し、ドイツや韓国の政党、非政府組織(NGO)の代表らと討論する。長崎大会は同様に7~9日に開く。

 一方、日本原水協などの世界大会実行委員会は先月に概要を固めたが、事故を受けて原発問題をより掘り下げる内容を検討している。

(2011年3月30日朝刊掲載)

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